失敗の再定義——実験記録に変える

シリーズ:『もう遅い』を手放す心理トレーニング|第4回

「うまくいかなかった」「続かなかった」。
そんな日こそ、自分にやさしくしたいと思うのよ。

失敗はダメの証拠じゃなくて、仮説が外れたっていう結果の種類

今日は、「うまくいかなかった日」をデータで記録する、実験記録のつけ方をお届けするわね。

みさっぺ

\この記事を書いた人/ 山原みさえ

  • HSP気質、こたつ在住の50代フリーランス
  • あんこ・昼寝・漫画・ちいかわが好き
  • トホホをクスッに変える、こたつ民の日常エッセイ
  • 詳しいプロフィールは こちら

失敗の正体:ダメの証拠ではなく“結果の種類”

私たちは失敗に対して、原因を自分の性格にしがちなのね。(私は意思が弱い、私はだめだ…とかね)

でも、実際は「条件」を変えるだけで結果は変わってくるの。

時間帯・場所・開始前の手順・指標の大きさ・他者からの刺激(通知や会話)などを少し変えるだけでいいのよ。

だから、評価よりも観察をするの。
自分を裁くんじゃなくて、状況を把握するほうが、次の一歩を踏み出せるわ。

覚えておきたい前提:

  • 継続は直線じゃなくてで進む(よい波/回復の波)
  • 回復はムダじゃなくて次の波の助走
  • 一度の仮説外れは、次の仮説の材料

二分法からの解放:“情報が増えた”と捉え直す

私たちは、結果を「成功」か「失敗」に二分しがち。

実際には、次の一歩のための情報が少し増えただけなのよ。

たとえば「夜にやると眠くて動けない」「指標が大きすぎて着手できない」など、環境や設計の調整点が見えてくるわ。

これからは責めるかわりに、情報を拾い集めて整えていきましょう。

情報として拾う観点:

  • 時間帯:朝・昼・夜、いつが動きやすかった?
  • 場所:机・リビング・外、どこが集中できた?
  • 入り口:通知・会話・片づけ、何が着手を邪魔した?
  • 指標:行・分・回、どの単位が続けやすかった?
  • 感情:不安・退屈・焦り、どの感情が強かった?

情報に変換する質問:

  • 何があれば、あと1分続けられた?
  • 何を除けば、あと1回できた?
  • どの条件なら、明日は着手できそう?

実験記録:「日時/試したこと/結果/気づき」を一行で

記録はしっかり書く必要はないの。
むしろ短いほうが続くわ。

「日時/何を試したか/結果/気づき」を1行で書けばいいの。
たとえば「21:30、英単語10語、寝落ち、夜は向かない」とかね。

この1行があれば、明日は「朝の5分に変えてみよう」って調整できるじゃない。

テンプレート:
「日時/試したこと/結果/気づき」

例:

  • 07:10/職務要約1行/着手◎/朝は言葉が出やすい
  • 12:40/散歩10分/継続△/昼は会議が入りやすい
  • 21:20/単語10語×音読3回/寝落ち/夜は向かない

振り返りのポイント:

  • 結果の良し悪しより気づきの質を眺める
  • 同じ気づきが3回出たら設計に反映する
  • 記録は保存先を1つに固定(スマホ/紙どちらでもOK)

言葉の差し替え:自分にやさしい単語リスト

「失敗した」を「仮説が外れた」に言い換えてみて。

「続かなかった」は「再開のハードルが高かった」に、「サボった」は「回復が必要だった」に。

言葉をやさしく言い換えると、行動の余白が生まれるの。
余白があると、人はまた始められるのよ。

言い換えの例:

  • できなかった → 今日は回復日だった
  • だらけた → 充電に時間を使った
  • 三日坊主 → 3回の試行ができた
  • 意志が弱い → 設計が強すぎた
  • 先延ばしした → 明日の自分に回して安全確保

私の例:“夜逃げモード”で心に静けさを戻す

HSP気質の私は、疲れると人の機嫌に引きずられやすいの。

だから夜逃げモード(会わない・返さない・無理しない)を意図的に発動して、心のシャッターを一度下ろすのよ。

心に静けさが戻ったら、記録を1行だけ書くの。
完璧じゃなくていいのよ。
続けられる形で、私を助けるメモにしていくの。

私の夜逃げモード:

  1. 通知はすべてオフ
  2. 連絡は「明日返します」と一言だけ
  3. 温かい飲み物を用意して、照明を1段落とす
  4. 呼吸3回して体温を感じる
  5. 記録を1行:「今日は回復日。静けさが戻った」

大切なのは、戻るための橋を壊さないことね。

相手への最低限の一言と、自分への最低限のメモが、その橋になるわ。


今日の15分実験:条件を1つだけ変えてみる

昨日うまくいかなかったことを1つ、条件だけ変えて試してみて。

時間帯、場所、指標、順番。
どれか1つで十分よ。

終わったら、記録を1行。
自分に「何が少しラクになった?」って尋ねて、気づきを言葉にしておきましょう。

  • 時間帯:夜→朝、夕→昼
  • 場所:リビング→机、室内→外
  • 指標:3行→1行、15分→5分、30回→10回
  • 順番:SNS→作業→SNS を、作業→SNS に入れ替え

今日の1アクション:「実験記録」ノートを1冊つくる

スマホか紙に「実験記録」のノートを1つだけつくりましょう。

今週は1日1行でOK!
できた日は◎、できなかった日は「回復日」って一言だけ書いてみて。

どちらの日も、あなたはちゃんと進んでるわ。

ノートの作り方:

  • 表紙に「評価しない。観察する。」と書く
  • 1ページ1日。上段に記録1行、下段に明日の仮説を1行書く
  • 週末に3分だけ眺めて、同じ気づきを○で囲む

よくあるQ&A:

  • Q. 真っ白な日があるのが嫌です → A. 回復日は橋休め。絵文字1つでOK(🌱/🛌)
  • Q. 何を書けばいいか迷う → A. 「時間帯」「場所」「指標」「順番」のどれか1つに絞る
  • Q. 続かない → A. 記録じゃなくて記録の準備をゴールにする(ノートを開く)

次回予告

最終回は「3週間の小さな成功を束ねる——レビューの習慣」。

散らばったできたを束ねて、達成感を育てていきます。

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