シリーズ:『もう遅い』を手放す心理トレーニング|第2回
「比べるつもりなんてなかったのに」——
気づいたら心がしゅんとしている日ってありませんか?
比較の多くは、意志じゃなくて環境から勝手に始まるの。
だから、意志に頼らないで済むように入口を整えることが近道なのよ。
今日は、通知と情報の置き場所を見直して、比較スイッチを静かにオフにしていきましょう。
なぜ比べてしまうの?——入口のせい、でだいたい合ってる

朝、布団の中でSNSを開くと、同年代のキラキラがいきなり飛び込んでくるの。
まだ頭が起きていない時間に、他人のハイライトと自分の素の状態を並べてしまうと、そりゃあ凹みやすくもなるわよ。
意志が弱いからじゃないわ。
入口(タイミングと場所)が、比較のスイッチを入れてしまうの。
私も、ぼんやりした朝にスマホを見て落ち込む日が続いたことがあって…
でもね、入口をちょっと動かしただけで、心の沈み方が変わったの。
意志の勝負をやめて、環境に働いてもらう。
これが、やさしいやり方ね。
通知の“音量”を下げる——見ない努力より、鳴らさない工夫
スマホの通知は、鳴るたびに心が小さく揺れてしまうの。
「見ないでおこう」って頑張るより、そもそも鳴らさないのがいちばん楽。
私は大事な連絡だけ通知が鳴るようにして、それ以外は決めた時間に、まとめて確認するようにしたの。
通知の音が減ったら、頭のざわざわが驚くほど穏やかになったわ。
- 午前中は通知をオフにして、昼に一度まとめて開く。
- 家の中ではスマホを別の部屋に置いて、紙のメモを使う。
たったこれだけでも、比較が入ってくる入口はぐっと狭くなるのよ。
情報の“置き場所”を変える——届かない場所に、そっと置く
比べてしまう情報は、目につく場所にあるだけで吸い寄せられてしまうの。
- SNSのアイコンを2ページ目以降に移動する
- 朝はホーム画面を読書アプリにする
- 夜はスマホを充電器と一緒に別室に置く
届きにくい場所に置くだけで、自然と手が伸びなくなるのよ。
私は、ベッドの横に紙の本とメモ帳を置くようにしたの。
眠る前は今日できたことを三つだけ書く、目が覚めたら、まず一行だけ読む。
置き場所のちょっとした変更で、心の向き先はゆっくり変わっていくのよ。
“比べない自分”にしない——比べてもいい、を前提にする

「他人と比べないようにしなくちゃ」と力むほど、比べてしまったときに自分を責めやすくなるの。
比べること自体は、人に備わった自然な機能なの。
比べてしまったら「今はそういう日」って受け止めて、入口だけ整え直せばOK!
完璧を目指さないことが、いちばんの近道なのよ。
私にも弱い日があるわ。
そんな日は夜逃げモード(会わない・返さない・無理しない)を発動して、心のシャッターをいったん下ろしてしまうの。
静けさが戻れば、ゆっくり始められるから大丈夫なのよ。
今日の15分実験——入口を一つ、動かしてみる
今日は、入口を一つだけ動かしてみましょう。
- 朝、スマホを別室に置く
- 昼まで通知をオフにする
- 帰宅後はアプリを一時的に隠す など
笑っちゃうくらい小さなことで十分よ。
大切なのは、環境に一仕事させること。
終わったら、「日時/動かした入口/気づき」をメモに残してみて。
たとえば「8:00、スマホを別室に置いた。朝のざわざわが少なかった」——
これだけでOK!
小さな変化も、記録すると心が安心するわ。
よくあるつまずきと、やさしい越え方
「結局見ちゃった」——
そんな日もあります。
だって人間だもの。
責めるかわりに、次の一手を用意するのよ。
- ホーム画面の一番下の段を空白にする
- 寝室の充電器を廊下側に移動する
- アプリの並び順をシャッフルする
小さな工夫で、ゆるやかに変わっていくわ。
家族が気になってスマホを手放しにくいときは、「今から30分だけ静かタイムね」「昼にまとめて返事するね」と決めておくといいわね。
終わったら「ありがとう」って一言伝えましょう。
今日の1アクション

まず、比べてしまう入口を一つだけ選びましょう。
朝のSNS、ニュースアプリ、通知の音など、心あたりがあるものを一つ。
次に、その入口を届きにくい場所へそっと動かしてみて。
明日の朝だけでかまわないわ。
終わったら、「何が少し楽になった?」って自分にやさしく聞いてみてくださいね。
次回予告
第3回は「マイクロゴールの設計図——15分・1指標・期限」。
行動が続くありえないほど小さい設計を一緒に作っていきます。